【店主編】香りと祈りの時間の過ごし方

お香やお茶に興味はあるけれど、
『どんなときに使えばいいの?』
『毎日続けられるか不安・・・』
という方へ。
使い方のイメージが湧くように、アムリタの店主・ヤマシタが続けている
「香りと祈り」の一日の様子をお届けします。
| ≪店主/バイヤー ヤマシタVoice≫ お茶やお香は取り扱い店が多く、 ネットショップを見ていいなぁと思って購入しても 「ちょっとはずれだった…」 「自分の好みと違った!」 と後悔することもあります。 また、その日の気分で選ぶ香りも異なるので、 少しずつ、いろんな味と香りを試せるものがあればいいなぁ・・・ と思っていました。 たくさんのお茶とお香、世界の祈りに触れてきた店主が とっておきのおススメを毎月お届けします。 その前に、私がどんな場面で使っているのかをご紹介! 毎日の香り時間を過ごすヒントにしてみてください。 |
朝、出勤前のまだ静かな時間に。
少しだけ早く目が覚めた朝。
すっきりと目覚めたというよりは、
何かざわっとした気持ちが心の中にあるような気配。
外はまだ静かで、街もゆっくりと目を覚まし始める頃。
そんなときは窓を開けて、空気を入れ替え、
一本のお香に火を灯します。
立ちのぼる香りをただ眺めながら、
深く、ゆっくりと呼吸をする。
その日の詰まった予定や考えごとが浮かんできても、
無理に消そうとせず、ただ流していく。
ほんの数分の時間ですが、それだけで、心の奥に少し余白が生まれます。

午後、仕事の合間に。
紀美野町の実店舗件オフィス、アムリタ。
お店の準備や、発送、やることが続く日々。
気づけば、頭の中がいっぱいになっていることもあります。
そんなとき、あえて手を止めてお湯を沸かします。
茶葉を入れて、お湯をそそぐ。
葉がゆっくりと開いていくのを見ながら、
ただその時間に身をゆだねる。
午後は気分転換にハーブティーや
アールグレイなどのフレーバー紅茶を選ぶことが多いです。
香りを感じながら一口飲むと、
少しずつ、呼吸が深くなっていくのがわかります。
壁にかかっているお気に入りの絵画やオブジェ、
花瓶にいけた花をみながら、
時間にして、5分、10分のわずかなとき。
あえてスマートフォンやPCは置くことで
忙しさがリセットされるような気がします。
どこか遠くへ行かなくても、
この数分が、小さな休息になります。
夜、一日を終える前に
一日の終わり。
終わったような終わっていないような…
ごはんを作って、お風呂に入って、気づけば夜の時間もあっという間に過ぎていきます。
やりきれた日も、そうでない日も、
そんな夜の終わりにも、ゆっくりとお茶を淹れます。
胃の調子がよく、少し空腹感があるときはミルクティー。
ちょっと疲れているときは、ブレンドハーブティー。
その日の気分で、お茶をスタンバイ。
カップにお茶を注いで、
灯りを少しだけ落として、静かな時間をつくる。
ボサノヴァやジャズ、クラシック、
それからインドの古典音楽をかけることもあります。
思考に余裕のあるときは、読みかけの好きな本(小説とか仏教書とか、新書など仕事に関する本も多いです)を、お茶を一杯飲む間に、時間をかけて読みます。
気づいたことにメモをする場合も。
思わぬアイディアやひらめきが生まれることもあります。
お茶を飲み終わったら、
本を閉じて、ゆっくりと呼吸をする。
それだけで、一日が静かにほどけていくような感覚になります。
■ 特別ではない、でも大切な時間
私がお香やお茶が習慣になったのは、
スリランカ滞在から帰国した直後でした。
起業をして、お店も始めたときに起こったコロナ禍。
やることも多く、一人で過ごす時間が多かったときに、
時間がないなかでも余白をつくるには?と考えました。
そんなときに、思い出したのは、
アジアのお寺や村で出会って、過ごした
日常の中の静かな時間でした。
お茶を飲むこと。
香りを感じること。
少し立ち止まること。
それはとてもシンプルで、
誰にでもできること。
だからこそ、
続けることで少しずつ、
暮らしや心のあり方が「善い」方向に変わっていくように思います。
今回の定期便では、僧侶でもある店主・ヤマシタが現地で出会った
アジアの祈りを、小さな読み物として毎号お届けします。
ちょっとした気づきの時間になるような、静かで温かい内容です。
■ あなたの暮らしの中に「善い」ことを
仏教では、「善い」行動が、「善い」世界へとつながると説かれています。
そしてのちの西洋哲学や、行動経済学などでも
同様のことが言われるようになっています。
行動や習慣のもとになるのは、こころの状態。
こころに余白があれば、
いい笑顔、優しい言葉、人間関係への配慮・・・などが生まれます。
だから、店主・ヤマシタは忙しいときほど
5分、10分の香りと祈りの時間を大切にします。
自分をいたわるだけではなく、
その時間が、人にも、地球にも「善い」方向に進むものだと思うから。
ちょっと大げさかもしれませんが、
仏教ではそのように説かれています。
この「香りと祈り」の定期便が、
同じような時間をつくるきっかけになれば嬉しいです。
朝でも、昼でも、夜でも。
ほんの数分でも。
静かな時間を、暮らしの中に。
