店主の今年の漢字「混」―—スパイスと雑貨、人が混ざった2025年

店主の今年の漢字「混」―—スパイスと雑貨、人が混ざった2025年

2025年も、あと少し。
年末になると耳にするのが、「今年の漢字」。

ニュースでは、今年の一字は「熊」。
和歌山では、パンダ(熊猫)も大きな話題となりましたね。


では、自分にとっての一文字は何だろう、と
少し立ち止まって考えてみました。

「混」
浮かんできたのは、この漢字。



混沌としていた、というよりも

今年は、とにかく
スケジュール帳がよく埋まった一年でした。

カフェの営業日、研究の会議、原稿の締め切り、
ボランティアの予定。
その合間を縫うようにして飛び立った、インドやタイ。

頭の中が整理されないまま進んでいく感じを、
そのまま形にしたかのように、
秋には、事務所の天井から思いがけない雨漏りも。

予定も、心も、
一度きれいに――
というより、ちょっと雑多に混ざった一年でした(反省)。



いい「混」も、確かにあって

一方で、
心地よい混ざり方もありました。

5月には、新しいスタッフさんが
Amrita のメンバーとして加わってくれて、
お店の空気が、少しやわらいだように感じます。

言葉の選び方や、
棚の前で立ち止まる時間にも、
これまでとは違うリズムが生まれました。

裁縫が得意なスタッフさんのおかげで、
オリジナル商品の
ブロックプリントのハンカチづくりにも挑戦。

一から何かを生み出す楽しさを、
久しぶりに味わえた一年でもありました。



僧侶として、人と交わった一年

僧侶として振り返ってみても、
今年は「人と交わる」一年でした。

講演、原稿の執筆
(これを書いている今も、締め切りに追われています)、
そして新しい社会活動への取り組み。

立場も、考え方も異なる人たちと話す中で、
意見が混ざり合い、
自分の輪郭が少し揺らぐこともありました。

仏教には「縁起(えんぎ)」という考え方があります。
物事は単独では存在せず、
人や言葉、出来事との関係の中で立ち現れる、というもの。

だから、揺らぎが生まれたときも、
「整っていない」と責めるのではなく、
変化の途中なのだと、そっと受け取れたらと思います。


スパイスも、暮らしも、混ざりながら

スパイスは、
混ぜるたびに、違う香りの表情を見せてくれます。

雑貨も、
並べてみて初めて、
「ここだな」という居場所が見えてくる。

今年の私は、
どうやらその「途中」を、
たっぷり味わう役目だったようです。



来年も、たぶん「混」

来年は、もう少し整っているかというと、
たぶん、そうでもなく。

また何かが混ざり、
また予定を詰め込みすぎて、
それでも、香り=確かな痕跡は残る。

そんな一年になる気がしています。

今年もAmrita に足を運んでくださったみなさま、
本当にありがとうございました。

来年も、ほどよく混ざりながら、
香りとともに、お待ちしています。

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